“天地人”っていいますと、戦国武将、 直江兼続を主人公としたNHK大河ドラマが思い出されますが、実はまちづくりなどにも使われる空間構成の手法も“天地人”といわれています。
わが国では空間構成の特徴のひとつとして空間に軸を設けず、破調の構成をとることがあります。
例えばお城の天守閣や生け花、枯山水の庭園など、小さなひとつひとつの要素をコントロールすることによって全体の空間を常にバランスさせています。これが“天地人”の考え方です。
一方、ヨーロッパの左右対称なバロック様式は、完成時においてすでに完全であり安定していますが、ちょっとした変化によってくずされると非常に不安定になります。
なぜか、日本人は古来から、シンメトリックな空間構成には、どこかに“クズシ”をいれたくなるようにDNAに書き込まれているようです。仙台駅前の青葉通りも数年前まで100尺規制により、高さ制限されていましたが、“クズシ”によって現在は“天地人”の空間構成を取り入れています。