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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

周波数が違うって言われても。

金メダルの数は増えませんが、メダルの数は前回の北京を上回り、日本選手団の頑張りに拍手です。

本日現在27個のメダル数は、2004年のアテネでの35個、1984年のロサンゼルスでの32個、1964年の東京、1972年のミュンヘンでの29個、についでの数。

すでに決勝戦を残してメダルが確定しているものも含め、このあとに期待のレスリングも残っているので、ぜひ過去最高のメダル数へ向けて、さらに頑張ってほしいものです。


・・・そういえば、宮城野区に「五輪」(ごりん)という地名があるな、と。

タイミング的には、ここの地名の由来などをブログのネタにして、オリンピックとの関連でも調べれば、盛り上がるに違いない、と、思ったのですが、
そもそもオリンピックを「五輪」と呼ぶのは日本だけ(韓国でも言うらしいですが)だそうで。

1936年に読売新聞の記者が「五大陸」からイメージして宮本武蔵の「五輪の書」を思い出して使い出し、定着した言葉だとか。

考えてみれば、この世界的な行事は、世界中の人が色々とテーマにしていることなので、いまさらということで、やっぱりやめとくことに。

 

で、他に何かと考えた時に、そういえば先日さるゼネコンさんから聞いた以下のようなお話を思い出しました。


「震災支援工事がらみで、あらゆる職種の職人さんが足らなくなっている。
そんな中、仕事が減っている関西方面から電気工事の職人さんが東北に来たのだが、持ち込んだ工具類が使えずに帰ってしまった。どうやら周波数の違いで工具が使えなかったらしい。」

 

西日本の電気の周波数は60Hzで、東日本は50Hz。

というのは知識として知ってはいましたが、工具が使えないとか、そんな話があるのか?

はた、と考えてみれば、そもそも周波数って何だ?それに何故東西で違うんだ?

と、いうことで、今回のネタはこれを調べてみました。


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 そもそも「周波数」っていうのは、

「工学、特に電気工学・電波工学や音響工学などにおいて、電気振動(電磁波や振動電流)などの現象が、単位時間(ヘルツの場合は1秒)当たりに繰り返される回数のことである。」

と、Wikiにでてました。

日常的に様々な電気器具を使っているわけではありますし、昨今は「節電」や「原発」等々、話題になってあまりにも身近にある「電気」ではありますが、言葉として使っている記号の意味も、結構わかっているようで、わかっていないことに、今更ながらに気づいたりします。

「V」:ボルト:電圧
「A」:アンペア:電流
「W」:ワット:電力=「V」×「A」
とか、学校で習ったような気はするものの、周波数との関係って記憶にないし。

正直、ちゃんとした理解をするには、もう一度、高校の物理ぐらいから勉強しないと無理かもしれませんが、ここでは一応以下のように理解しておくことにします。

「交流電気では、電気の流れる方向が交互に変化するが、その方向が変わる周期(スピード)が周波数である」

えー、まー色々と問題のある表現ですが、イメージとしては発電機のモーターの軸がまわっている速さが違うんだな、くらいに思っておけば良いということで。

つまり「周波数が違う」っていうのは、生み出される(もしくは最終的に調整される)電圧や電流は同じでも、発生の元で違いがあるということです。

無理矢理な例えをすると、
身長も体重も、走るスピードや持ち上げられる重量等の身体能力も同じだけど、国籍が違うようなもんでしょうか。
(あっ、ちょっとだけ前フリのオリンピックと話がつながった・・・)
 

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んで、実際、西日本と東日本の電気の周波数の違いは、導入当時の発電機の国籍が違ったのが原因になっているのです。

細かな経緯は省きますが、1800年代中頃に、関西の大阪電燈ではアメリカ製の60Hz仕様の発電機を取り入れて、関東の東京電燈ではドイツ製の50Hz仕様の発電機を採用したんですね。

この企業間の対抗意識がそのまま、現在の東日本と西日本の周波数の違いになっているわけです。

ちなみに、東京電燈や大阪電燈という会社は、電力会社の先駆け(日本初の電力会社が東京電燈)で、当時シェアが大きかった電力会社です。
直接的には現在の東京電力や関西電力の元になった会社ではありませんが、その後の吸収、合併、再編、法整備の中で今の電力会社に至っています。

戦後、復興にあわせて統一しようという話も何度かあったようですが、結局実現せず、いまさらやるには膨大な費用がかかってしまうので、現実的ではないようです。
 

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ところで、日本の電機メーカーは、日本全国で販売できる電気製品を作るために、両方の周波数で使用出来る機器を念頭に置いて製品開発を進めました。

結果、日本製品はヨーロッパでもアメリカでも使える製品が主流になったわけで、日本の家電が海外に進出するにはプラスに働いたのかもしれません。

もっとも、海外では周波数だけでなく、そもそもの電圧が違う地域もありますので、全てがOKというわけではありませんが。
(でも、メーカーも頑張っていて、現在では周波数だけでなく電圧も関係なく使用出来る機器が増えています)

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周波数が違うとどういうことが起こるかというと、その電気を使用して稼働するモーター等の回転数に違いが出たりします。

なので、すごく単純には50Hz用の扇風機を60Hzで使用すると2割増しで回るというようなことが起こります。
(逆の場合は約2割減というカンジです。)

発揮できる性能が減る分には、物理的な機械部品にかかる負荷が少なくなるので、ソレほどの大事には至りませんが、逆の場合には故障の原因につながります。

とは言え、現在ではほとんどの電気製品がインバータ等を搭載し、もしくは周波数フリーとして設計されているので、それほど問題となることは無いようです。

(・・・と、ここで『「インバータ」ってなんだ?』という疑問がでますが、それはまた別の機会に。)
 

但し、古い電化製品や以下の製品に関しては注意が必要です。

●電子レンジ・・・60Hz用を50Hzで使用すると異常発熱の原因に。逆の場合でも暖めすぎが発生して焦げたりして危険。

●蛍光灯用照明器具・・・周波数が違う製品は異常発熱の可能性が。

●洗濯機・・・50Hz用を60Hzで使うと、回転に勢いがつきすぎて、回転方向制御のためのブレーキが効きにくくなり故障の原因に。

 

ま、結局はその製品の表示をよく確認して使用して下さい、ということになりますが。
 

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んで、最初のゼネコンさんのお話ですが、

最近の電動工具であれば特に問題は無いはずなのですが、60Hz専用の工具が主体だとすると、50Hzでは確かに必要な性能が得られない可能性があるわけで、もしかするとこれが真相なのかもしれません。

Hz.JPG 

左の画像が電気製品のHz表示の例です。

この製品の場合は、50Hzでも60Hzでも使用可能で、消費電力が50と60で若干違いますよ、ということになります。

 

 

 

DSCN7747.jpg

 

そういえば、今日から仙台七夕ですね。

長町でも七夕飾りがつけられてますよ-。

この記事を書いた人

斉藤 一則

斉藤 一則(株式会社マイザ)

事業企画担当。
遊休地や低利用建物の効率化提案から賃貸管理・リフォームサポートまで、建築・不動産関係が専門。
旅行好き。

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