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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2015年8月のアーカイブ

IMG_3847.JPG

この写真、本屋さんの店頭ディスプレイではありません。

先日行われた、尚絅学院の新校舎お披露目会の際に、図書室で撮影したものです。

中高生に向けて「20代で隠居」という本を勧めているのもどうかと思いますが、センター正面に「今日も嫌がらせ弁当」、その奥に「461個の弁当は、親父と息子の男の約束」と、弁当関連本が2冊出てました。

で、「そうか、『弁当』が今、来ているのか!」とばかりに、今回は「弁当」の話。
えぇ多分、「今来ている」わけではないのでしょうが。

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最初の疑問は、「弁当」の文字。

この表記だけ見れば、そこに「食べ物」や「持ち運ぶ」的な意味が無いように思われます。

調べてみますと、元は、12世紀ごろの中国で使われていた、「好都合」や「便利なこと」を意味する「便當」という言葉があって、これが日本にそのままの文字で入ってきた後に、「べんとう」の読みに対して、「辨當」の文字が当てられ、持ち歩く食料を収納する箱を「辨當箱」と呼ぶようになり、これを略して「辨當」、その漢字を簡略化して「弁当」になった、とのこと。

当たり前と言えばその通りですが、「弁当箱」があっての「弁当」なわけで、「持ち歩く食料」=「弁当」ではなく、「弁当箱に入れた食料」=「弁当」なわけですね。

「箱」あってこその「弁当」だとすると、「弁」の文字には「分別する」「区別する」とか「用にあてる」と言う意味があるので、なるほど「弁当箱」は「別けて(食料を)入れて、(持ち運びの)用に当てる 箱」なので、字義的にも正しいと言えますね。

現在では「携帯食料」=「弁当」と言う感じですが、本来は「箱」に入っていないと「弁当」ではないという事がこれで確認できました。

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で、「弁当」の種類を、とも思いましたが、これはまぁどういうカテゴリーで分けるべきなのかも難しいところなので、とりあえず、「○○弁」と呼ばれるものにどんなものがあるのか、ざっと検索。

・「駅弁」(駅で販売する弁当)
・「空弁」(空港で販売する弁当)
・「速弁」(高速道路で販売する弁当)
・「バス弁」(高速バス内で食べるように販売する弁当)
・「球弁」(たまべん。ナゴヤドームで販売する弁当)
・「家弁」(うちべん。自宅で食べる(つくる)弁当)
・「朝弁」(お昼ではなく朝食べる弁当)
・「夜弁」(お昼ではなく夜食べる弁当)
・「デコ弁」(とにかく食材をデコレーションした弁当)
・「キャラ弁」(なにがしかのキャラクターを表現した弁当。デコ弁の一種。)
・「顔弁」(キャラクターは難しいが、とにかく顔ならば。デコ弁の一種。)
・「嫌弁」(嫌がらせ弁当。内容なり、表現なり、あの手この手で)
・「ドカ弁」(馬鹿でかい弁当。あのキャラクターの愛称にも)
・「塾弁」(学習塾に持ち込んで食べる弁当)
・「早弁」(お昼前に弁当を食べてしまうこと。弁当の種類ではないですね。)
・「ベト弁」(名古屋のベトナム料理屋が出している、ベトナム料理の弁当)
・「ロケ弁」(TV業界で、ロケ先で食べる弁当)
・「局弁」(放送局内で食べる弁当。郵便局では言わない)
・「カフェ弁」(カフェが作って販売する弁当。こじゃれてる?)
・「のり弁」(ご飯の上に海苔が乗っている弁当だが、海苔だけの場合、のり弁感が薄い)
・「しゃけ弁」(鮭が入っている弁当だが、これがフライになるとのり弁感がでちゃう)
・「ホカ弁」(あの弁当屋さんの略称)
・「ホモ弁」(あの弁当屋さんと同様にあの弁当屋さんを略すと、こうなる)
・「ポプ弁」(「ポプラ」というコンビニのお弁当。炊き立てのご飯を目の前で入れてくれる。)
・「キロ弁」(沖縄の弁当屋さん。総重量1Kgの弁当を販売している模様)
・「わせ弁」(早稲田大学の学生が通う、「わせだの弁当屋」の略称)
・「やき弁」(函館名物、やきとり弁当。焼き鳥と言いながら、実は豚肉。)


「ワダベン」とか「関西弁」とかのボケは無しで、弁当の略語だけで、こんなにあるんですね。

「のり弁」「しゃけ弁」のように、入っている具材でのネーミングを加えれば「肉弁」「鳥弁」「牛弁」等々さらに増えそうですが。

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お腹が減ってきてしまうので、この項は以上にしておきます。

最後に、ご当地ネタをひとつご紹介。

仙台市宮城野区福室の字地名に「弁当二番」と「弁当三番」と言う地名があるのをご存知ですか?

番号は地番ではなくて「弁当二番」という地名だそうです。

Wiki等を含め色々なサイトに「仙台藩の足軽がこの地で弁当を食べたためにこの地名になった」と出ていますが、足軽がこの地で弁当を食べる理由も、それを地名につける理由も、私にはピンときません。

もともと平野だったこのエリアは、伊達家の御猟場になっていて、伊達政宗が狩りの合間に昼食をとった場所に由来するという説の方が信頼できるように思います。

おそらくですが、ポツポツとしかなかった民家でも借り上げて食事をとり、そこを目印にして名前をつけ、次に狩りに行くときに「今日は弁当二番で」みたいに言ったのではないでしょうか?

もちろん昔は「弁当一番」もあったのですが、今はなくなってしまったそうです。

この記事を書いた人

斉藤 一則

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