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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2013年6月のアーカイブ

日常的に色々な調べ物が多いのですが、先日とある調べ物をしている時に、宮城県図書館のHPを見てまして、その中の「お調べもの」「レファレンス事例集」という、「ご質問があれば、こんなカンジでお答えしてますよ」的なコーナーがあったのですが、そこで見つけた言葉が表題の

「ツヅラポンポン」

です。

これ、いわゆる「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの、飛んでゆけ~」と、子供がどこかをぶつけた時に使ったりする「おまじない」の宮城県方言なんだそうです。

具体的な使用例としては、

「ツヅラポンポン、痛(いで)えどご、あっつの山さふっ飛んでいげ」

・・・と、こんな感じ。

この「ツヅラポンポン」、一応「ちちんぷいぷい」が訛ったものらしいのですが、「ツヅラ」は多分「鼓」なので、そりゃ「ポンポン」するよなぁ、と、もとの「ちちんぷいぷい」よりも言葉的な意味がわかる分、訛りっぽくない気もします。

 

そもそも「ちちんぷいぷい」というのは、

「智仁武勇、御世(ごよ)の御宝(おんたから)」

という呪文が起源らしく、三代将軍徳川家光の乳母・春日局が子をあやす為に「知仁武勇は御代の御宝」(知力と武力に長けた貴方は徳川家の宝なのですから、どうか泣かないで下さい)と残したことに由来するという説と、仏教用語の「七里結界」(四方七里に邪を寄せ付けない結界をはる)に由来するという説があるそうです。

 

それにしても、「ツヅラポンポン」って面白いなぁ、と思って、他の方言がないかと調べましたら、関西では、

「ちんこのまじない」

と、言うという記事が。

用法は、

「おぉよしよし。ちんこのまじない、ちんこのまじない。もう痛たないやろ。」と、こんな感じ。

これは、「ちちんぷいぷい」の訛りではなくて、家を新築して移転するときに、居住安全や厄除けのために「鎮宅霊符」という護符を「鎮宅霊神」という中国の神様から受けたのだそうで、その「鎮宅」がチンコとなって、護符を受けるかわりにその名をとなえて指で撫でたのが由来らしいですが。

何故に「鎮宅」が、そうなったのか?

 

また、茨木弁として紹介されていたものに、

「ちぢらんかんぽん」

というのもありました。

これも「ちちんぷいぷい」の訛りかと思ったら、そうではないらしく、茨城県の県北では、昔吹いたと言う強風を『千々乱風』(ちちらんぷう・ちぢらんぷー)と呼んでいて、勝田市から那珂湊にかけてあった三つの村が砂で埋まったと言う言い伝えがあるそうで、この強い風で痛みを吹き飛ばす意味が元になっているとの話。
つまり、『千々乱風・千々乱寒風』が「ちぢらんかんぽん」に訛った、と。

 

おそらく、他にも地方によって色々バリエーションが有るのでしょうが、調べきれていません。

このような全国の「おまじない」を調べた本もあるようなので、それこそ図書館で探してみたいと思います。

IMGP0040.JPG 

 ※写真と記事は関係ありませんが、一応”梅雨”なので”紫陽花”を。

今回は、表題の通りの立派な神棚をご紹介します。

弊社とお取引のある、太白区中田にお住まいのさるオーナー様の古い家屋の中にあったのですが、数年前に建物本体の老朽化による解体に伴い、一部を近所の神社(中田神社)に寄付され、今はそのままの形では現存していないものです。

先日、何かの拍子に神棚の話になり、「このご紹介こそブログネタだなぁ」と思ったので、今更ながらですがご紹介しました。

尚、低性能のデジタルカメラによる素人撮影での画像しか手元にないため、不鮮明な画像であることに関しては何卒ご勘弁下さい。

まずは、全景。

神棚全景1.jpg

幅が三間(約5.4m)あり、壁一面に作り付けの箪笥の上部が全部神棚になっています。

70年以上前に、専門の大工さんがこの家に泊まりこんで、数ヶ月の時間をかけて作成したものだそうです。

画像が悪くて確認しにくいですが、正面と左右に、三つの社がつながっているような形になっていて、三柱の神様が祀られています。

「三社造り」という形式で、一般的とまでは言いませんが、神棚の形式としては珍しいものではないのですが、このサイズのものは、そうそうあるものではありません。

page-0001.jpgのサムネール画像

部分をアップにするとこんなかんじです。page-0002.jpgのサムネール画像

高さは半間ほどですが、屋根も銅板葺になっていて迫力あります。

前面に下げられている吊灯篭は、最初からあったものかどうかわかりませんが、 これもまた良い味を出していると思います。

さらにアップすると。

DSCN3310.jpgのサムネール画像

柱梁や組物の細かな細工。

壁の透かしや金具等の素晴らしい造り。

本物の神社と全く変わらないような形で、細部まで作りこまれています。

御札が写っていなければ、本物の建物だと勘違いしてしまうほどです。

正面から見えるこの面は、神社で言うところの「拝殿」みたいな部分で、正確に言うと、この扉の中に神棚が入っています。

扉を開けると、こうなっています。

DSCN1074.jpgのサムネール画像

DSCN1078.jpgのサムネール画像

中には、御札や七福神の人形が入っていましたが、おそらく長い間きちんとしたお祀りはしていなかったようで、本来はご神体にあたる御札をきちんと納めていたはずです。

三社造りの神棚は、一般的に中央に「伊勢神宮」の御札、向かって右側に「氏神」の御札(その地域の守り神様)、向かって左にその他の崇敬する神社の御札を奉納します。

上記の内部写真(下)は右側の扉の内部なので、「中田神社」の御祭神の御札があるべきなのですが、「天照・・・」以下の文字がわかりません。

中田神社は複数の神様を合祀した神社なので、その御祭神の中には「天照大御神」もいらっしゃり、これが中田神社の御札かどうかはわかりませんが。

もっとも、このサイズの神棚のお祀りの仕方を、正しく伝承し継続・維持していくことは難しいので、徐々に形式的になってしまったのかもしれませんが、それも仕方のない事かもしれません。

それにしても、もっとマシな画像で記録を残さなかったことが悔やまれます。

今作ったら、いったいいくらかかるのか、そもそも作れる人がいるのか。

後世に残すべき技術ではありますよね。

この記事を書いた人

斉藤 一則

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